9月25日、開発者がChatGPTのウェブページのソースコードから「PROMAX」というフィールドを発見した。これを受けて外部では、OpenAIが月額500〜600ドルのサブスクリプションを投入しようとしているのではないか、つまり既存の200ドルProプランの2.5倍という価格設定ではないかと推測されている。OpenAIからの公式発表はなく、名称・機能・価格ともに未確認である。さらに注目すべきは、その2週間前に200ドルのプランが計算資源の逼迫を理由に新規受け付けを停止されたことだ。最も高額なプランはまだ順番待ちだが、その間の中位プランが先に凍結された。

これは、奶茶店の注文ミニアプリのソースコードに「ULTRA」という隠しSKUが紛れ込んでいて、それを見た店員が「80元の限定メニューを準備中なのか」と推測するようなものだ。しかし実際は2週間前に原料切れで最高価格帯の販売を休止したばかり。新しいメニューが出る前に、看板メニューが半分消えた状態だ。たとえ話はここまで。現実との違いはこうだ。奶茶の品切れは数日待てば済むが、OpenAIが制限しているのは計算資源であり、600ドルという価格設定は、次世代の推論リソースに誰が一番早く触れるかを決めるものだ。
事象

1ページのソースコードに現れた、名もなき文字列

開発者Tibor Blaho氏が、ChatGPTのウェブ版のデベロッパーツールから前述のフィールドを発見した。

彼がその発見をソーシャルプラットフォームに投稿すると、業界メディアがすぐさま転載し、OpenAIがProより高額なサブスクリプション層を準備中との見方が広まった。

ソースコードのフィールドひとつが、なぜニュースになるのか。それはクライアント側に出現したもので、ユーザーの合成画像ではないからだ。

発表会も、告知ページも、公式のタイムラインもない。確認できるのはただひとつ、OpenAIのクライアントに「PROMAX」という言葉が現れたということだけ。残りすべては推測だ。

仕組み

600ドルのうち、100ドルの差額は何なのか

500ドルが基本価格、600ドルは20%の「チャネル税」が上乗せされた上限価格である。どちらの数字も公式には認められておらず、推測の域を出ない。

IT之家が開発者Tibor Blaho氏の判断を引用して報じた価格帯は500〜600ドルで、記事掲載日の為替レートで約3,359〜4,030元。36氪はこの数字をより細かく分解している。500ドルが製品の基本月額料金、600ドルは20%の「チャネル税」を上乗せして算出された上限価格だという。

「チャネル税」はOpenAI自身が設定しているわけではない。サードパーティのディストリビューターがサブスクリプションを再販または代理徴収する際に上乗せする手数料であり、最終的にユーザーが支払う価格が押し上げられる。情報公開者は今のところコード上のフィールドしか確認できておらず、OpenAI自身の公式価格表は見ていない。

横並びで見ると、Claude MaxとGoogle AI Ultraはどちらも現在250ドル前後であり、Pro Maxが事実となれば、主流の個人向けAIサブスクリプションの価格上限を塗り替えることになる。

500–600ドル推測される月額料金レンジ人民元換算で約3,359–4,030元。500ドルが製品基本月額、600ドルは20%の「チャネル税」込みの上限価格(出典:IT之家、36氪、OpenAI公式による確認は得られず)
2.5倍現行の最上位プランとの比500ドルは現行200ドルのProプランの約2.5倍。現行Proは人民元換算で約1,343元(出典:IT之家)
250ドル帯横並び比較Claude Max、Google AI Ultraは約250ドル。Pro Maxが事実となれば、主流の個人向けAIサブスクリプションの上限を塗り替える(出典:36氪)
IT之家(RSS) 公式画像 1
公式画像 1 · 出典:IT之家(RSS) · データの根拠は原文に従う
逆説

最上位プランはまだ影も形もないのに、200ドルが先に凍結された

最高額のプランはまだ影も形もないのに、なぜ中間層が先に止まったのか。

9月10日、OpenAIは200ドルのProについて、新規サブスクリプションとアップグレードの受付を停止した。理由は公になっている。GPT-6 Astraが計算資源クラスタ(AIの動作を支える演算能力のプール)を圧迫し、既存ユーザーのために枠を確保する必要があるからだ。

公式ヘルプセンターの説明は明確だ。停止期間中は、Free、Go、Plus、または100ドルのProからのアップグレードは一切できず、現行ユーザーのみがその地位を維持できる。復旧時期は明かされていない。

判断Pro Maxはまだ影も形もないが、Proはすでに先に止まった。計算資源が逼迫すると、まず中位層が凍結され、最高額層はただ順番が来ていないだけだ。

200ドルは実際の推論(AIモデルが入力に基づいて計算を行い回答を返す処理)コストに対して赤字だとされている。OpenAIの説明によれば、このプランがシステムに最も大きな負荷をかけるという。つまり200ドルとは、ヘビーユーザーをプラットフォームが自腹で養っているようなものであり、支えきれなくなれば門を閉じるしかない。

OpenAIの目の前にあるのは2つの選択肢だ。200ドルを再びコストをまかなえる水準まで引き上げるか、あるいは今回のように、コストに見合う最上位プランを単独で切り出すかだ。これは解釈であって公式の見解ではない。Pro Maxのうわさで唯一語られている売り文句「最速のWorkとCodex」とは、支払った金額に応じて計算資源の優先度を得ること意味する。2.5倍の価格差で買えるのは、より多くの利用枠ではなく、他人を後ろに並ばせる権利だ。

ただしこれは、Pro Maxが本当にうわさ通りに実装されるという前提の話だ。Proが先に首を絞められ、Pro Maxが後から値上げされる。これはアップグレードではなく、予算による選別だ。

方向性

変わるのはモデルではなく、列のルールだ

変わるのはモデルではなく、列のルールである。高く支払う者から先に推論を回す。

前述の200ドルプランの停止により、200ドル帯は既存ユーザー向けのゲームになった。このタイミングで500〜600ドルのPro Maxのうわさが流れる以上、その根本ロジックはただ一言に尽きる。同じGPU群の中で、より多く支払う者から先に処理を回す。

これは既存の価格階層とは方向性が異なる。100ドルから200ドルへアップグレードすれば、ユーザーは5〜20倍の利用枠を得るが、本質的には利用量を「購入」している。200ドルから500〜600ドルへ移行する場合、買うのは別物だ。WorkやCodexのようなタスクは何時間も連続して動くことが多く、遅延を1秒でも縮めれば、それ自体が時間コストの削減に直結する。重い業務を担うユーザーの帳簿では時間はそのまま利益であり、「速さ」は価格をつけられるサービスになる。

注視すべきシグナルは3つある。OpenAIが公式ヘルプセンターまたはX(旧Twitter)にPro Maxのページを掲載するかどうか。200ドルプランの停止が解除されるか、そしてその解除のペース自体が計算資源の回復を示す指標となる。次に登場するより強力なモデル(うわさのコードネームはBel、公式未確認)が投入される際、Pro Maxに紐づけられるのか、それとも200ドル帯に搭載されるのか。このうち2つでも動きがなければ、Pro Maxはいまだソースコードの中の文字列でしかない。

実践

Pro Maxに窓口はない。今できることは観察だけ

今は待つしかないが、このプランが何を意味するのかを先に理解しておくことはできる。

まず事実として押さえておきたい。Pro Maxにはクリックできる入口が一切ない。IT之家の元記事でのOpenAIの回答は空っぽで、「まだ正式発表されていない」「製品名、機能、最終価格ともに大きな不確実性が残る」とだけ返している。つまり今できることはただ観察することだけだ。

うわさされている売り文句は1つだけ、最速のWorkとCodex機能。この2つに共通するのは、ヘビーな作業だということだ。タスクは何時間も連続して動き続ける。

仮にPro Maxが登場した場合、現実の違いはまず利用枠ではなく、処理の優先順位だろう。より高い料金を支払えば、タスクが計算資源の列の前方に割り込まれる。ただしこれは情報公開者による推測に基づく解釈であり、OpenAIが文書に明記した文言ではない。

もうひとつ、先に腹に入れておくべき重要な違いがある。200ドルのProプランはすでにブレーキがかかった、「利用枠」を提供するプランだ。一方、Pro Maxが仮に存在するとすれば、それは「速度」を提供するプランである。両者が解決するのは同じ問題ではない。

今まさに200ドルプランの凍結解除を待っている立場だとすると、Pro Maxの登場が自動的に救済措置になるわけではない。おそらく独立した新プランであり、200ドルへの解錠鍵ではない。OpenAIのヘルプセンターが現在記載しているのはPro $100とPro $200の2プランのみで、Pro Maxという項目は一切ない。

検証方法も2つしか残されていない。help.openai.comの「About ChatGPT Pro tiers」ページを監視する(更新頻度が高く、原文では「3 days ago」と表示されている)。そこに新プランの記述が出るかを見る。もうひとつは、ChatGPTのウェブフロントエンドのコード自体を監視することだ。Tibor Blaho氏はまさにこの方法で発見した。ただしこれで確認できるのは「文字列がまだ残っているか」だけで、「いつ提供されるか」「いくらで売られるか」は確認できない。

最後にひとつだけはっきりさせておきたい。もしあなたが今、WorkやCodexのヘビーユーザーでないなら、待とうが待つまいが結果は同じだ。大多数の読者にとって、このプランは追い求めるものではなく、観察する価値のあるものだ。

実践チェックリスト
1

help.openai.comを開き、「Pro tiers」ページを検索して、現在は$100と$200の2プランしかないことを確認し、後の比較の基準とする。

2

Tibor Blaho氏の手法を再現したい場合、chatgpt.comを開き、F12でデベロッパーツールを起動してPROMAXフィールドを検索し、その文字列が残っているかを確認する。ただしこれでわかるのは「存在の有無」のみで、「時期」はわからない。

3

OpenAIの公式アカウントとhelp.openai.comの更新をフォローする。Pro Maxに関する公式発表はまずこの2か所に現れる。

4

自分がWorkやCodexのヘビーユーザー(タスクが1時間以上連続稼働することが頻繁にある層)に該当するかを判断する。そうでなければ新プランは自分とは無関係だ。

5

200ドルProプランの新規受付停止後の復旧動向を、もうひとつの観察指標とする。復旧するか否かがPro Maxの真の位置づけに影響する。

出典:IT之家(RSS)、開発者Tibor Blaho氏がChatGPTのウェブページソースコードで発見した内容を引用。OpenAIは記事執筆時点において「Pro Max」に関する公式確認を出しておらず、価格レンジは情報公開者の推測である。600ドルという数字は20%の「チャネル税」を含む。