OpenAIがCodexをChatGPTに統合して1ヶ月。Everyチームは1年間使ってきたワークフローをすべて書き直した。コーディングツールが汎用ワークスペースに変わり、旧設定は全滅。経営層向けQ&A、KateBench、同僚クローン実験も一挙に公開。ツールの中身が入れ替わったばかりで、痛みはこれから本格化する。
統合から1ヶ月も経たず、5月版のガイドは完全に使えなくなった
5月に公開したガイドは、1ヶ月後にして無効になった。
5月に公開したガイドがなぜ1ヶ月で無効になったのか。5月、EveryのKatie Parrottは『Codex for Knowledge Work』を出版し、Codexをコーディングツールとして位置づけた。7月中旬、OpenAIはCodexをChatGPTに統合し、従来のコーディングツールは汎用ワークスペースに変わった——Every社内ではこれを「the merge」と呼ぶ。その1ヶ月後、Parrottは5月のガイドを丸ごと解体し、『ChatGPT for Knowledge Work』へと差し替えた。
新版はワークフローをすべて仕切り直している。Chat、Work、Codexの3つのエリアに分け、チャット・業務・コーディングという3つの用途をそれぞれ棲み分けさせる。同時に3種類の新機能を追加した。goals(目標)、projects(プロジェクト)、scheduled tasks(定期タスク)。旧版のすべての設定は無効化され、同じChatGPTの画面が、チャット、業務、コーディングという全く異なる用途に割り当てられるようになった。
この改訂では、16のワークフローが新たに定義され、Every社が企業AI導入Q&Aで400名の経営層から集めた33の質問が反映されている。また、KateBenchモデルの学習には30,000件のサンプルが使用されている。
同時期に書き直されたものとしては、3月のOpenClawガイドもある。新版が答えようとしている問いは同じ——個人agent(個人専用のAIアシスタント)を使うべきタイミングと、Every Agentのようなチーム共有版に切り替えるべきタイミング。Everyチームの判断では、個人agentとチームagentにはそれぞれ適用場面があり、旧版ではその境界が曖昧だった。
ここまで徹底的に作り直したのは、コーディングツールが汎用ワークスペースに変わったためだ。過去1年積み上げてきた操作習慣がすべて通用しなくなり、製品ポジショニングが根本から入れ替わった。ショートカットキーも、カスタムpromptも、ワークスペース設定もすべてやり直しである。
経営層の本当の詰まりどころに、操作マニュアルが登場
これは今まさにAIに金を投じている経営層が実際に踏んだ落とし穴の記録であり、生成AI導入ライブQ&Aで本当に多く聞かれたのに最後まで答えきれなかった問いが基になっている。
6月初旬、Everyのコンサルティング責任者Natalia Quinteroと新設のevals責任者Mike Taylorは、企業の経営層を対象としたAI導入ライブQ&Aを開催した。残り時間の関係で答えきれなかった問いはドキュメントにまとめられ、今回初めて公開された。Everyはその位置づけを明確にしている。トレンド評論ではなく、操作マニュアルだ。
それらの問いは5つの次元をカバーしている。戦略、懐疑派を説得する、ツール選定、ガバナンス、チーム再編。「一部の社員が個人的に試す」段階から「全社でAIを使って業務を行う」段階へ移行したい企業は、この5つの関門を必ず通らなければならない。
なぜ一般読者も読むべきなのか。これらの問いはEveryが作ったものではなく、経営層が本当に投げかけたものだ。行き詰まるのは「AIにできるか否か」ではなく、「社内でどう回すか」。Every自身の言葉を借りれば、「これはAIを推進中の経営層に我々が助言する内容」だ。
ChatGPTがCodexを統合した後、個人ツールの乗り換えの痛みはまだ小さな問題に過ぎない。会社レベルで起きている変化こそが大バージョンだ。組織構造、承認フロー、職務定義がすべて書き換えられている。Everyの社内チーム自らがその実演をしてみせた——1年使ってきたワークフローをすべて捨てて書き直した。そして問いかける。これらの行き詰まりを、自分たちはどう乗り越えたのか。